こんな人に読んでほしい
- 日経平均は戻っているのに自分のポートフォリオが戻らなくて不安な人
- 中東情勢など地政学リスクで売り時・買い時を迷っている人
- 長期投資・高配当投資を続けているが、下落局面で気持ちが揺れている人
この記事でわかること
- 日経平均が回復しているのに保有株が戻らない本当の理由
- 狼狽売りが「底値で手放す行為」になってしまう仕組み
- 中東情勢が続く局面でも長期投資家がやるべきシンプルな行動
2026年2月28日、米・イスラエルによるイランへの軍事攻撃が始まった。ホルムズ海峡の封鎖懸念、原油価格の急騰、投資家のリスク回避——日経平均はあっという間に50,500円台まで沈んだ。直前の高値は2月26日の59,332円。わずか数日で約13%の急落だ。
その後、米・イラン停戦交渉の進展期待から相場は急回復し、4月23日には史上初の6万円台を記録(終値59,716円)。表面上は「ほぼ元通り」に見える。
でも、あなたの保有株はどうだろうか。ポートフォリオを開いてみると——日経平均ほど戻っていない。そんな違和感を感じている人は少なくないはずだ。
※本記事は個人の投資経験・見解に基づくものであり、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
① 日経平均が戻っているのに保有株が戻らない理由
市場の8割の銘柄が下がっている矛盾
答えはシンプルで、今の相場回復が極めて偏った銘柄に依存しているからだ。SBI証券のレポートによれば、4月20〜24日の週、東証プライムの値下がり銘柄数が8割を超える日が目立った。日経平均が上がっているのに、市場の8割の株が下がっているという矛盾した状態が続いている。
AI・半導体株が指数を一手に引っ張っている
日経平均はソフトバンクグループやアドバンテストなど、指数への影響が大きい半導体・AI関連株が牽引する形で上昇している。これらの数銘柄が大きく上がるだけで、指数全体が「回復した」ように見えてしまう。
「日経平均が上がる=全部の株が上がる」ではない。今はむしろ、特定の数銘柄だけが指数を押し上げている歪んだ相場だ。
内需・エネルギー消費型銘柄に資金が向かわない理由
ホルムズ海峡封鎖の懸念が続いているため、原油コストが直撃する内需系・エネルギー消費型の業種(輸送、食品、製造など)には資金が向かっていない。高配当株に多い連続増配の内需銘柄や製造業は、まさにこの影響を受けやすい。保有株がインデックスほど戻らない場合、こうした業種の偏りが原因である可能性が高い。
② こんなときに狼狽売りしてはいけない理由
底値で売ると上昇を丸ごと取り逃がす
パニック売りがなぜ損するか、数字で考えてみよう。仮に50,500円(底値付近)で日経平均連動の投資信託を全部売っていたとする。4月23日に6万円台をつけたとき、その上昇(約19%)を丸ごと取り逃がすことになる。底値で売り、高値で買い戻すのは感情的には「安全」に見えても、数字では最悪の行動だ。
企業業績の根幹は崩れていない
楽天証券の試算では、今期(2027年3月期)の東証プライム上場企業の純利益は、中東情勢の影響を考慮しても前期比10%以上の増益が見込めるという。中東危機は確かに重荷だが、企業業績の根幹が崩れているわけではない。株価の一時的な下落と、企業の稼ぐ力の低下は別の話だ。
コロナ禍でも同じことが起きた
2020年3月に底値で売った人は、その後の急回復を取り逃がした。危機の最中に売るのは、もっとも株価が安いタイミングで手放すことを意味する。中東情勢もコロナ禍も、長期チャートで振り返れば「一時的な揺らぎ」に過ぎなかった。歴史は繰り返す。
③ 私はどうしているか——下がったら静かに買い増すだけ
インデックス積立は完全放置、下落時こそ買い増し
私自身の行動はシンプルだ。下がったら買い増す。それ以外は様子見。狼狽売りはしない。理由は上に書いた通り、底で売ることになるからだ。日経平均が50,500円台まで沈んだときは「セール」と捉えて、少しずつ買い増した。
インデックス投資(全世界株・S&P500など)は毎月の積立を継続して完全放置している。下落局面でも積立を止めない。これがドルコスト平均法の威力で、安値のときに多く口数を拾えるからだ。
配当金で今の生活の負担を減らす
私が投資を続ける根本的な理由は2人の子どもの将来だ。高配当株からの配当金は、毎月の固定費や習い事の費用に充てている。不労所得が生活の一部を支えてくれると、仕事のプレッシャーも少し軽くなる。配当金の一部はそのまま再投資に回すことで、複利の効果も狙っている。
15年後の大学資金と、子どもへの資産を積み上げる
子どもたちが大学に進む頃に備えて、インデックスの積立は15年単位で考えている。15年のチャートで見れば、今回の中東情勢による下落など、ほんの小さな揺らぎに過ぎない。歴史的に株式市場は長期では右肩上がりを続けてきた。焦る理由がない。
中東情勢で相場が荒れる日も、ポートフォリオの含み損を眺めながら「これは15年後の子どもたちへの仕送りだ」と思えば、焦って売ろうという気にはなれない。子どもが生まれてから、むしろ相場の下落が怖くなくなった。守るべきものができると、短期の値動きより長期の積み上げがいかに大事かが、はっきりと見えてくるからだと思う。
よくある質問
Q. 保有株が戻らない場合、損切りすべき?
業績が崩れていない銘柄なら、焦って損切りする必要はない。ただし「なぜ下がっているか」は確認すべきだ。指数の歪みによる一時的な売られすぎなのか、それとも業績悪化や減配リスクがあるのかで判断は変わる。今回のような地政学リスク起因の下落であれば、企業のファンダメンタルズを確認したうえで保有継続か買い増しを検討したい。
Q. 中東情勢が長引く場合、ポートフォリオはどう見直す?
原油高が続く前提なら、エネルギーコストが直撃する輸送・食品・製造系の銘柄は重荷が続く可能性がある。ただし、長期保有を前提にしているなら大きな組み替えは不要だ。配当利回りや連続増配の実績を改めて確認し、「10年後も持ち続けられるか」を基準に判断するのがシンプルで効果的だ。
Q. ドルコスト平均法はいつ効果が出る?
効果が見えやすいのは、下落→回復のサイクルを1回以上経験したタイミングだ。下落中に積立を続けることで安値の口数を多く拾い、回復時に平均取得コストを下回った恩恵が数字に現れる。逆に言えば、下落局面で積立を止めてしまうと、ドルコスト平均法の最大の恩恵を逃すことになる。
Q. 日経平均とポートフォリオの乖離はいつ解消される?
中東情勢が落ち着き、原油価格が安定してくれば、内需系・エネルギー消費型の銘柄にも資金が戻り始めると考えられる。ただし正確なタイミングは誰にも読めない。「乖離がいつ解消されるか」を待つより、「業績が崩れていない銘柄を持ち続けること」に集中する方が再現性が高い。
まとめ:地合いが悪いときほど、シンプルな原則に戻る
日経平均が6万円台を回復していても、市場の8割の銘柄が下がっている日が続いている。原因はAI・半導体株への偏った資金流入と、原油高による内需系銘柄の重さだ。企業業績の根幹は崩れておらず、狼狽売りは底値で手放す行為に等しい。
やることはシンプルだ。下がったときは静かに買い増す。インデックスは積立を放置。それを続けるだけ。地合いが悪いと感じるときほど、この原則に戻ることが大切だと思っている。
この記事のチェックリスト
- □ 保有株が戻らない理由(指数の歪み)を理解した
- □ 狼狽売りが底値での売却になる仕組みを確認した
- □ 下落局面でもインデックス積立を止めない理由を確認した
- □ 保有銘柄の業績・減配リスクを改めて確認した
- □ 投資の目的(配当・大学資金・子どもへの資産)を言語化した


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