配当利回り6%超。
銀行預金ではほとんど利息がつかない時代に、
6%という数字は、とても魅力的に見えます。
100万円投資すれば、年間6万円。
「何もしなくてもお金が入ってくる」と考えると、心が動くのも無理はありません。
しかし私は、そのときすぐに買いませんでした。
高配当株には、見えにくい“落とし穴”があるからです。
以前、景気敏感株は減配リスクがあると書きました。
ですが、高配当の罠はそれだけではありません。
今回は、利回りだけで銘柄を選ぶことの危険性について考えてみます。
落とし穴①:株価が下がっただけで高配当に見える
配当利回りは、
配当金 ÷ 株価
で計算されます。
つまり、株価が下がれば利回りは上がります。
例えば、年間配当100円の企業があるとします。
- 株価2,000円 → 利回り5%
- 株価1,000円 → 利回り10%
配当は同じでも、株価が半分になれば利回りは倍になります。
しかし、株価が下がるのには理由があります。
業績悪化、将来不安、赤字転落などです。
たとえば、かつて高利回り銘柄として注目された企業の中には、業績悪化後に減配し、さらに株価が下落したケースもあります。
代表的なのが、かつて高配当銘柄として人気だった日本郵政です。上場当初は高い配当利回りが魅力とされましたが、業績の不透明感や減配の影響で株価は長期間低迷しました。
高利回りは「お得」ではなく、「市場からの警告」である可能性もあるのです。
落とし穴②:成熟企業の“成長なき配当”
もう一つの落とし穴は、成熟しきった企業です。
売上は横ばい。
利益も安定。
配当も一定水準。
一見すると安心感があります。
たとえば通信大手のNTTやKDDIは、安定配当銘柄として知られています。
もちろん優良企業ですし、長期保有に適した面もあります。
しかし、仮に
- 配当利回り4%
- 株価は10年間ほぼ横ばい
だとするとどうでしょう。
インフレ率が年2%で進めば、実質的な資産価値は目減りします。
「配当はもらえるけれど、資産は増えない」
それは安定ではなく、停滞かもしれません。
成熟企業の配当は、“余った利益を分配している”だけのケースもあります。
成長が伴わなければ、長期的な資産拡大は難しくなります。
本当に注目したいのは「連続増配企業」
では、どのような企業を選べばよいのでしょうか。
私が重視しているのは、連続増配企業です。
日本企業にも、10年以上連続で配当を増やしている企業があります。
代表例としては、
- 花王
- SPK
- 三菱HCキャピタル
などが挙げられます。
連続増配が続くということは、
- 利益が安定して伸びている
- キャッシュフローに余裕がある
- 株主還元の姿勢が明確
という証でもあります。
例えば、配当が
100円 → 110円 → 120円 → 135円 → 150円
と増えていけば、取得単価ベースの利回りは年々上昇します。
最初は3%でも、5年後には5%近くになることもあります。
しかも企業が成長していれば、株価上昇も期待できます。
これが、成長を伴う高配当投資の魅力です。
利回りは「入り口」ではなく「結果」
初心者ほど、配当利回りランキングを見てしまいます。
数字は分かりやすいからです。
しかし大切なのは、
- なぜ利回りが高いのか
- その配当は持続可能か
- 売上と利益は伸びているか
という視点です。
利回りが高いから買うのではありません。
成長している企業を選んだ結果、配当も増え、将来的な利回りも高くなる。
順番を間違えないように要注意です。
まとめ|飛びつかず、見極める
高配当株の落とし穴は大きく二つあります。
- 株価下落による“見せかけ高利回り”
- 成長なき成熟企業の“停滞配当”
利回りだけで判断すると、減配や株価下落で資産は簡単に削られます。
一方で、連続増配企業のように成長と還元を両立している企業を選べば、配当は時間とともに育ちます。
高配当投資は、「今の利回り」を買うものではありません。
「未来の増配」を買う投資です。
数字の甘さに飛びつくのではなく、企業の質を見る。
それが、高配当投資で長く生き残るための考え方だと私は思います。


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