「配当金という不労所得がほしい」——そう思って、私は高配当株を買い集めてきました。
でも今、投資の軸足をインデックスに移そうとしています。
きっかけは、自分のポートフォリオを冷静に見た瞬間でした。インデックスは約60万円でプラス25%以上。一方、個別株は約600万円もあるのにプラス17%程度。10倍の資金を投じているのに、増え方では負けている。この数字を見たとき、正直、言葉が出ませんでした。
この記事は、投資の正解を語るものではありません。高配当株を買い集めてきた2児パパが、なぜ考えを変えたのか、その思考プロセスをそのまま記録したものです。同じように高配当投資で迷っている方の、判断材料になれば嬉しいです。
こんな人に読んでほしい
- 高配当株投資を始めたばかりで、銘柄選びに迷っている人
- 高配当株とインデックス投資、どちらを軸にするか悩んでいる人
- 配当金がほしいのに、なぜか株価の変動が気になってしまう人
- FIRE(経済的自立)を目指して資産形成をしている人
この記事でわかること
- 利回り4%以上を追った結果、どんな銘柄構成になってしまったか
- 自分のポートフォリオを並べて気づいた「効率」の差
- 配当を年1万円増やすのに必要な元本を、税引き前と税引き後で計算した結果
- 方針転換したあと、保有中の高配当株をどうするのか
利回り4%を追いかけて、気づけば景気敏感株だらけになっていた
高配当株を買い始めた頃の私は、とにかく利回りを気にしていました。「4%以上」を一つの基準にして、条件に合う銘柄を選んでいったのです。
ところが、しばらくして自分の保有銘柄を眺めて気づきました。海運や自動車といった銘柄が多い。これらはいわゆる「景気敏感株」で、景気の波に業績が大きく左右されるタイプでした。
利回りだけを見て選ぶと、なぜこうなるのか。今なら分かります。景気敏感株は業績が良いときに配当を大きく出すため、そのタイミングでは利回りが高く表示されるからです。つまり私は、「今たまたま利回りが高く見える銘柄」を集めてしまっていたのです。
象徴的だったのが海運株(商船三井)でした。配当金の上下がとにかく激しい。増配で喜んだと思えば、次は減配。「来年はどうなるんだろう」という不安が、常に頭の片隅に残り続けました。
そこから少しずつディフェンシブ銘柄(景気に左右されにくい業種)を増やしてはいるものの、ポートフォリオ全体では今も景気敏感株が多い状態です。この構成をどうにかしたいと考えているうちに、だんだんとインデックス投資に惹かれていきました。(2026年7月時点の保有状況です)
決定打は、自分のポートフォリオの数字だった
方針転換を本気で考えたのは、自分の資産状況を並べて見たときです。(2026年7月27日現在)
| 投資対象 | 投資額の規模 | 損益 |
|---|---|---|
| インデックス | 約60万円 | プラス25%以上 |
| 個別株(高配当中心) | 約600万円 | プラス17%程度 |
10倍の金額を投じている個別株のほうが、増え方で負けている。
もちろん、高配当株は配当金という形でもリターンを受け取っているので、この数字だけで優劣は決まりません。それは頭では分かっています。それでも、この差は私には大きく見えました。
さらに追い打ちをかけたのが、地政学リスクによる相場の急変でした。ホルムズ海峡をめぐる情勢に振り回され、一時は評価額がプラス7%程度まで落ち込んだのです。景気敏感株の比率が高いポートフォリオは、こういう局面でまともに影響を受けます。
「配当が目的なのに、評価額に一喜一憂している自分」に気づいた
そして、この下落局面で自分の心の動きを見て、はっと気づいたことがあります。
私は配当金をもらうことが目的で高配当株を買ったはずでした。であれば、株価が下がっても配当が出続ける限り、慌てる必要はない。むしろ安く買い増せるチャンスです。理屈ではそう分かっています。
でも実際は、評価額が下がるたびに気持ちがざわつく。「関係ない、配当が目的なんだから」と頭で言い聞かせても、その感情は消えませんでした。プラス7%まで落ち込んだ画面を、何度も開いては閉じていました。
このとき思ったのです。自分の性格には、この投資法は合っていないのかもしれない、と。
投資の手法に「絶対的な正解」はなくても、「自分が続けられるかどうか」という相性は確実にあります。毎回の値動きで消耗してしまうなら、それは私にとって良い方法とは言えません。ここから、高配当投資に軸足を置くのをやめようと考え始めました。
配当を年1万円増やすのに、いくら必要か計算してみた
もう一つ、方針転換を後押しした計算があります。
月1万円ではありません。配当を「年」1万円増やすだけでも、利回り4%なら元本25万円が必要です。ただしこれは税引き前の話で、配当には20.315%の税金がかかります。手取りで年1万円を受け取ろうとすると、必要な元本は約31万円まで増えます。
| 受け取り方 | 利回り4%で必要な元本の目安 |
|---|---|
| 年1万円(税引き前) | 約25万円 |
| 年1万円(税引き後・手取り) | 約31万円 |
※税率20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税)で計算した概算です。NISA口座など非課税制度を使う場合は税金がかからないため、必要な元本は変わります。
この数字を見て思いました。配当を積み上げて生活費をまかなうには、途方もない元本が必要になる。
一方で、私にはまだ別の道があります。転職してまだ1年経とうとしているところで、これからスキルと実績を積めば昇給の機会は十分にある。副業で収入を増やす余地もあります。
つまり、「入ってくるお金そのものを増やす」ほうが、今の私にとっては現実的で速い。そして増やしたお金を投資に回すなら、私の場合伸び率で優っていたインデックスのほうが複利の力を活かせて、FIREに早く近づけるのではないか——そう考えるようになりました。
配当という「今の不労所得」より、給料・副業という「入口」を太くして、それをインデックスの複利に乗せる。これが今の私の結論です。
それでも、持っている高配当株は売りません
ここまで書くと「じゃあ全部売ってインデックスに乗り換えるのか」と思われるかもしれませんが、保有中の個別株は持ち続ける予定です。
理由はシンプルで、高配当株は企業が成長すれば増配の恩恵も受けられるからです。長期で持っていれば、買った当時の価格に対する実質的な利回りが上がっていく可能性があります。それを目先の売却益と引き換えに手放してしまうのは、長い目で見るとかなりもったいない。
ただし、減配など前提が変わったときは売却も検討します。高配当株を持つ理由は配当なので、その根拠が崩れたなら手放す判断は必要だと考えています。
つまり私の方針転換は「高配当株の全否定」ではありません。これから積み上げる新しい資金の主軸を、インデックスに置くという話です。
高配当株とインデックスで迷っている人へ
私の失敗と方針転換から、伝えられることは3つです。
- 利回りだけで選ぶと、偏ったポートフォリオになる — 利回りが高く見える裏側(景気敏感株かどうか、その配当が続くのか)まで見る
- 自分の性格との相性を無視しない — 「配当が目的だから株価は気にしない」が本当にできるか。できないなら、方法を変えるのも立派な判断
- 入口(給料・副業)を太くする選択肢も持つ — 配当を年1万円増やす元本を考えると、収入そのものを増やすほうが早い場面は多い
逆に、この記事のやり方が合わない人もいると思います。配当という目に見えるキャッシュフローがモチベーションになる人、値動きを見ても平常心でいられる人、すでに配当で生活費の一部をまかなえる規模の元本がある人。そういう方にとって高配当投資は、間違いなく良い手法です。
これは私という一人の投資家の判断にすぎません。大事なのは、他人の正解ではなく、自分が続けられる方法を選ぶことだと思っています。
実は「選び方を見直したら結果が変わった」という経験は、これが初めてではありません。確定拠出年金でも同じことがありました。
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よくある質問
Q. 高配当株はもうやめたほうがいいですか?
A. そうは思いません。私が合わなかっただけで、配当というキャッシュフローがモチベーションになる人には良い手法です。私の場合は「評価額に一喜一憂してしまう性格」と、ポートフォリオの偏りが問題でした。
Q. 保有している高配当株は売らないのですか?
A. 売らずに持ち続ける予定です。企業が成長すれば増配の恩恵も受けられるので、長期で見ると手放すのはもったいないと考えています。ただし減配など前提が変わった場合は売却も検討します。
Q. なぜ「配当より昇給・副業」だと思ったのですか?
A. 配当を年1万円増やすのに、利回り4%なら元本25万円(税引き前)、手取りベースだと約31万円が必要です。転職して間もない私には昇給の余地もあり、副業で増やす道もある。入ってくるお金を増やして、それをインデックスの複利に乗せるほうが早いと考えました。
Q. インデックスは具体的に何に投資していますか?
私は楽天証券でeMAXIS Slim全世界株(オールカントリー・日本を除く)を購入しています。個別株で国内銘柄を購入していたため、敢えて日本を除いたインデックスを購入しています。
※あくまで私の選択であり推奨ではありません。
まとめ:正解を探すより、自分が続けられる方法を選ぶ
利回り4%を追いかけて景気敏感株だらけになり、相場に振り回され、配当が目的のはずなのに評価額に一喜一憂する。そんな自分のポートフォリオと心の動きを見て、私は投資の軸足をインデックスに移すことにしました。
数字で見れば、インデックス約60万円がプラス25%以上、個別株約600万円がプラス17%程度。この差が、私の背中を押しました。
FIREを目指すうえで大事なのは、誰かの正解をなぞることではなく、自分が長く続けられる方法を見つけることだと思っています。持っている高配当株は手放しませんが、これから積み上げるお金の主軸はインデックスへ。そして給料と副業という「入口」も太くしていく。それが今の私の答えです。
浮いたお金の余白も、消耗しない心の余裕も、続けられて初めて意味を持ちます。同じように迷っている方にとって、この記録が何かのヒントになれば嬉しいです。
この記事のチェックリスト
- □ 保有銘柄が特定の業種(景気敏感株など)に偏っていないか確認した
- □ その高配当が「今だけ」のものではないか(業績と配当の推移)を見た
- □ 株価が下がったとき、自分が平常心でいられるか想像した
- □ 目標の配当額に必要な元本を計算してみた(税引き後も忘れずに)
- □ 投資だけでなく「収入を増やす」選択肢も検討した
【免責事項】 本記事は個人の実体験と考えを記録したものであり、特定の投資手法・銘柄を推奨するものではありません。株価・配当・利回りは常に変動し、投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。記載の数値は執筆時点のものです。


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